「へ?」
「いや。だから、オレのこと好きなんだけど、って」


 聞こえてただろ、と苦笑をして、目の前の人は、煙草の煙を吐き出す。
 煙草吸わないあたしとしては、煙草なんてものこの世の中から消えてしまえばいいと思うし。吸っている人に対しても、体に悪いうえに、お金だってばかにならないというのに、ばかよねぇ、と思う。けど、彼の細巻を持つ手が、嫌いじゃないのも、本当で。


「…今度は何のネタ?」


 灰皿へ押し付けられて吸殻となってしまた元煙草は、しっかりと火が消えていないらしく、ぼやけてゆらいだ線をあげる。


「ネタじゃないって。人が勇気出して告白してんのに、その反応はないだろ」


 ひどくねぇ? なんて言いながら、いつもみたいな笑い方。


「勇気出してるひとは、そんなナチュラルに勇気出してるとか言えないと思うんですけど…」


 ここで、真剣になんて答えたら、なんてうっそー、とか返ってきそうだ。いや。キャラ的にそんな台詞を吐き出す岡田を見たくはないが。
  どうしよう、まさかとは思うけど、ドッキリ企画じゃないわよね…
 あたしにそんなものをしかけても、たいした反応を返さないことはわかりきっているだろうから、無いはず、だ。


「だって、ってオレのこと好きだろ」


 そりゃ、まぁ、ずっと前から、好きだったけど…って、



「は?」
「で、どうする?」


 にぃっと口角を持ち上げて、答えはソレ以外に無いのだと、確信している人に、期待通りの答えを返すのが、悔しくないわけがなくて、言葉に詰まる。
とりあえず、






そんな君には、屋上からの紐無しバンジーを許可しよう
言ったら彼は声をあげて笑った



「それはOKってことでいい?」
「 岡田くんって意外とSっ気ありますわよね…!」
「それは、まぁ…さんがMオーラ出してるせいかと」


2008.12.28