「何? アレ、どうしたワケ?」




 秀吉の部屋、隅のほうで三角座りなんて懐かしいことしてる、マサを指す。
 指の先、チラリとだけ、視線を向けた秀吉は、読んでた本を閉じて、ため息なのか、一呼吸。




「ワカれたんだとよ、彼女と。」




幾分楽しそうな声が交じり、こちらを伺うように見てくる。




「秀吉!」




三角座りのマサが、コチラを向いて非難の声。




には言うなっていっただろ!」

「……なんで、アタシに言うな、なの?」




言われて気分のいいものではないそれに、睨みをきかせれば。




はすげー喜んでくれたから、いい辛かったんだとよ?」




 楽しそうなこの場所の提供者には、どうも何もかもがお見通しのようで。
 アタシは、一回も口にしたことがないんだけどな。




「言ってもらえないほうが傷つく。」




 どちらとも視線を合わすことなくそう言えば。




「だとよ?」




 やっぱり愉しそうな秀吉に、少し焦ったようなマサの声は弁解を。


  ああ、サヨナラしたはずの思いも、また舞
い戻ってきて………




「落ちてこなくて良かったな……」
「あ? 何が?」
「爆弾。」




 素直に答えれば、一瞬の空白の後、反応は別れて、

 理解してなのかそうじゃないのか、閉じていた本、机に多少乱暴に放り投げ、大声で笑う秀吉に、マサはといえば、何を言っているんだと、特大のクエスチョンマークを携え、私と、今だ笑ってる秀吉を見てる。




 また当分この思いとはお付き合いをしなくてはならなくなった。

  嬉しいのか、哀しいのか……


 机の上の本に、この複雑な気分をあらわす単語はないだろうか?


取り合えずは。
お帰りなさい、またシバラクよろしくな?
 右手を、差し出した。




君は知らなくていいよ 
真実はいつだって現実を裏切るから




【 Title:エヴァ・スノウ/WallPaper:ふわふわ。り
2008.07.19